オリゴのおかげは加熱しても使えるの?

2023.07.10 知識情報

オリゴのおかげは加熱しても使えるの?

オリゴのおかげ料理

料理にも使われる『オリゴのおかげ』。パッケージに「長時間の加熱調理はなるべく避けてお使いください」と記載されています。加熱すると効果に変わりがあるのでしょうか?実験結果をまとめました。
今回は『オリゴのおかげ』の加熱についてのお話です。



オリゴのおかげを加熱するとどうなる?


1時間程度であれば加熱しても基本的にはほとんど成分に変化はなく、整腸作用も変わらずお使いいただけます。

ただし、一緒に加熱するものによって少しだけ注意するところがあります。それはお酢やレモンなど酸性の強いものと一緒にして酸性の状態で加熱するとオリゴ糖成分が分解し、整腸作用が低下してしまう可能性があるのです。

「オリゴのおかげ」のオリゴ糖成分「乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)」は、牛乳に含まれる「乳糖」と、サトウキビやテンサイに含まれる「ショ糖」を原料に、酵素の力を借りて作られています。

「乳糖」はガラクトースとブドウ糖がつながってできていて、「ショ糖」はブドウ糖と果糖がつながってできています。酵素がその内の「ショ糖」を分解し、分解によりできた果糖を「乳糖」に結合して、ガラクトースとブドウ糖と果糖の3つの糖がつながった「乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)」にしています。

オリゴのおかげは加熱しても使えるの?_挿入画像1_肉じゃがの画像ガラクトースとぶどう糖と果糖のつながりのイラスト.jpg



この「乳果オリゴ糖」を酸性下で加熱すると、その3つの糖のつながりが徐々に切れて、整腸作用のある「乳果オリゴ糖」から乳糖などの普通の糖類になっていってしまうのです。



オリゴのおかげの酸性下での加熱による分解データ


下の表はラクトスクロース(乳果オリゴ糖 純品)を異なるpHの条件下で、温度100℃で加熱する時間により、どう変化するかを比較したものです。

オリゴのおかげは加熱しても使えるの?_挿入画像2_ラクトスクロースの酸性条件での加熱安定性の表.jpg


(pHとは酸性~アルカリ性の度合いを示す指標で、1(酸性)~7(中性)~14(アルカリ性)の数字で定義されています。さまざまな食品の酸性度はお酢がpH3前後、すっぱいフルーツでpH3~4、野菜の多くがpH4~6、お肉や魚がpH5~6、お米やパンがpH5~7です)

左端にあるpH5のグラフを見ると、100℃で1時間加熱してもほとんど変わらないことが分かります。
しかし、右端にあるpH3の酸性になると、加熱により分解されてしまい加熱時間30分で残存率が50%以下、1時間経過すると20%ほどしか残っていません。



すっぱいものと一緒に加熱する料理には直前にかけて


上の表で見たように、お酢などを使った酸性度が高い食品に砂糖の代わりに「オリゴのおかげ」を使って加熱する料理には、召し上がる直前に混ぜるなどして使われることをお勧めいたします。

イチゴやグレープフルーツなど酸味の強いフルーツに掛けて召し上がる方も多いと思われますが、加熱しなければ分解しませんし、また、他に加熱する料理でも酸性度が高くない(すっぱくない)料理であれば、先程のグラフの通り1時間加熱し続けたとしてもほとんど分解はおこりません。
ご安心ください。

オリゴのおかげは加熱しても使えるの?_挿入画像3_肉じゃがの画像.jpg



今回は「オリゴのおかげ」の加熱による変化についてご説明いたしました。
ぜひ卵焼きなどを作る際にも調味料としてお使いいただき、素敵な食卓を囲んでくださいね。