砂糖と身体 ①砂糖を摂取すると、どうなる?

2022.06.13 知識情報

砂糖と身体 ①砂糖を摂取すると、どうなる?

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砂糖は全身の細胞のエネルギー源に


食べた砂糖は、体の中でどうなるのでしょうか。
食べ物を消化するというと「胃」を想像する方が多いと思いますが、砂糖は胃ではほとんど消化されず小腸で消化吸収されます。

砂糖が小腸に達すると消化酵素によって「ブドウ糖」と「果糖」に分解され、血液中に吸収されます。
そして、これらブドウ糖と果糖は一度肝臓に入り、酵素の働きによって果糖もブドウ糖に変わり、ブドウ糖として血液によって全身の細胞に運ばれます。
そして、その全身の細胞で取り込まれたブドウ糖が体や脳を動かすエネルギー源となります。


すぐに使われなかったブドウ糖は?


エネルギー源としてすぐには使われないブドウ糖は、筋肉や肝臓などでブドウ糖同士が結合した一時的な貯蔵用の「グリコーゲン」という多糖類になります。また、脂肪細胞で脂肪としても蓄えられます。
そして必要に応じて、筋肉に蓄えられたグリコーゲンはふたたびブドウ糖となってその筋肉のエネルギー源となり、肝臓のグリコーゲンもブドウ糖にもどり血液中に放出され全身をめぐります。
また、脂肪も代謝されエネルギー源となります。


血液中のブドウ糖の量が一定に維持される仕組み


ブドウ糖は、体と脳のエネルギー源として使われるため、生命活動に必要不可欠です。
そのため、血液中のブドウ糖の量(=「血糖値」)は、常に一定に維持されています。この血糖値を維持するのが、さまざまな臓器から分泌されるいろいろな「ホルモン」です。

糖質を摂取すると、血液中のブドウ糖の量が増え、血糖値が上昇します。
すると、すい臓から「インスリン」というホルモンが出て、ブドウ糖を臓器や筋肉細胞に取り込ませエネルギー源として消費させたり、筋肉や肝臓で貯蓄用のグリコーゲンを合成させて血糖値を下げようとします。
また、ブドウ糖から脂肪細胞で脂肪を合成するのにもインスリンが関わっています。

反対に、空腹の時や運動をして血液中のブドウ糖の量が減り、血糖値が低下した場合はどうでしょうか。
その時はすい臓から「グルカゴン」、副腎から「アドレナリン」というホルモンがそれぞれ出て、蓄えているグリコーゲンをブドウ糖に分解することで、血糖値を上げようとします。

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体はこのような調整を絶えず行って、血糖値を常に一定に保ち続けています。ブドウ糖は体にとってなくてはならないものですが、ふだん私たちが食べる食品にブドウ糖そのものが含まれているものはほとんどありません。
そのため、ブドウ糖のもとになるごはんやパン、砂糖など糖質を摂取することが欠かせないのです。
適量の糖質を上手にとり入れて健康的な生活を送りましょう。