梅だけでなくレモンや紫蘇など様々なものを漬けたシロップや果実酒作りに欠かせない氷砂糖。
普通の砂糖とどう違うのか、また飴とは何が違うのでしょうか?
氷砂糖ってどんなもの?
氷砂糖とは、簡単に言うとグラニュ糖の結晶を大きく成長させたものです。
作り方の違いから、ロック型とクリスタル型の2つの種類があります。
ロック型氷砂糖の作り方
ロック型は文字どおり岩のようにゴツゴツとしていて不揃いの形状をしています。
浅い金属製の皿に濃度の高い砂糖液を張り、その中に種となる砂糖の結晶を入れ、そのまま約2週間かけてその結晶を大きく成長させます。
そして、その皿に広がったかたまりを砕いて作られます。これは明治時代から伝わる昔ながらの製法です。
クリスタル型氷砂糖の作り方
一方、クリスタル型は大きさが均一な16面体の形状をしています。
網目状の仕切がある円筒状の機械の中に濃い砂糖液を入れ、そこに種となる砂糖の結晶を加えて約50℃を保ちながら回転させ結晶を成長させます。
そうして約3~4日ほどで出来上がります。結晶の形状が均一で大量生産に優れています。
氷砂糖と飴の違い
すっきりとした甘さや口当たりの良さから、飴のように氷砂糖をそのまま召し上がる方も少なくないかと思います。
でも、そんな時に「氷砂糖って飴と何か違うの?」と気になる人もいるかもしれません。
氷砂糖は、じっくりと時間をかけて作られることで砂糖の分子が規則正しく整列した結晶状態となります。
そのためとても固く、溶けるのもゆっくりです。
一方で、飴の多くが砂糖の結晶ではありません。
砂糖には溶かした後に急に冷やすと、分子がバラバラのままでも固形化するアモルファス(非結晶)という珍しい性質があります。
そのため、固体でありながらもやわらかく、飴細工や綿あめなど様々な形や状態に加工することが出来るのです。
多くの飴は、この性質を使って作られています。
シロップ作りはどうして氷砂糖がいいの?
果実のおいしさを引き出したシロップや果実酒を作るには、氷砂糖の溶けにくい性質が重要なポイントです。
氷砂糖がゆっくりと溶けることで、浸透圧により果実の持つ風味が外に出てきます。
これについては、ぜひ以前のコラム『漬物や梅酒をおいしくする 浸透圧と砂糖の関係』もみてくださいね。イラスト付きで解説しています。
シロップ作りなどに使って、余ってしまった氷砂糖はグラニュ糖とほとんど同じものですので、お料理にも気兼ねなく使うことが出来ます。
また、品質がとても安定していて保存状態がよければ長く品質が保たれますので、非常時の備えにもピッタリです。
ぜひ、氷砂糖を日常生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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