原料糖って何?

2024.04.30 知識情報

原料糖って何?

サトウキビ原料砂糖の作り方糖蜜

上白糖やグラニュ糖のパッケージの原材料名欄に書かれている「原料糖」。砂糖の原料が「原料糖」ってどういうこと??サトウキビじゃないの?
今回はそんな疑問にお答えすべく、原料糖とは何なのかご説明致します。



原料糖とは


まずはっきりさせます。
上白糖などの砂糖の原料はサトウキビやテンサイです。


それでは「原料糖」とは何かというと、サトウキビで言えば、沖縄やオーストラリアなどのサトウキビ畑近くの工場で粗く精製した砂糖のことです。


具体的にはサトウキビを搾り、簡易的にろ過した後、煮つめて濃縮し、結晶にしています。粗糖とも言われます。


原料糖は船で消費地近くの製糖工場に運ばれ、そこで上白糖やグラニュ糖などさまざまな種類の砂糖になります。


原料糖_挿入画像1_原糖船に積み込まれた原料糖の画像



なぜ原料糖をつくるの? 


サトウキビから直接、上白糖などの製品をつくるのではなく、いったん原料糖にすることにはいくつものメリットがあります。



メリット1 ~糖度低下を防げる~


サトウキビは刈り取り後、含まれているショ糖分がすぐに分解しだし、時間とともに、とれる砂糖がどんどん減ってしまいます。そのため、畑の近くですぐに結晶にすることで、無駄にすることなく1本のサトウキビからたくさんの砂糖がとれます。



メリット2 ~収穫時期と生産時期の差をなくせる~


サトウキビの収穫時期は冬場の約半年間。サトウキビは夏に太陽の光をたくさん浴びて、光合成により茎にショ糖分を蓄えていきます。ショ糖分がいっぱいになった冬場に刈り取り、茎から甘い汁を搾ります。そのため、冬場に一気に原料糖にして糖分が減らないようにして、それを徐々に使い一年を通して上白糖などの砂糖が生産されています。



メリット3 ~長距離の輸送ができる~


サトウキビはあたたかい地域で育つため地球上でできるエリアが限られています。日本で言えば、現在、多く栽培されているのは沖縄県と鹿児島県の徳之島などの島々です。そのため、原料糖にすることでサトウキビそのものより輸送が容易になり、品質も保てます。



メリット4 ~砂糖の品質を高められる~


もし、畑近くにそのまま上白糖などの最終製品まで作れる近代的な工場を建てたとしても、収穫期間の半年間しか稼働できません。いったん原料糖にした後、消費地近くの工場で消費者やお菓子メーカーの必要とするいろいろな品質の砂糖をそれぞれ作り分けることができます。


原料糖_挿入画像2_夕日でオレンジ色に染まったサトウキビ畑の画像



以上のような理由から、サトウキビはいったん原料糖にして保管・輸送された後に上白糖などの砂糖になっているのでした。


それでパッケージの原材料名には「原料糖」と記載されているのです。



今回は「原料糖」についてご説明いたしました。

以前「砂糖の作り方」や、原料の「サトウキビ」「テンサイ」について解説した記事も作りました。よろしければ下のリンクから見てみて下さいね。


【関連記事】

お砂糖の作り方_TOP画像_上白糖とスティックシュガーの画像
2019.09.26
「お砂糖」の作り方
サトウキビってどんな植物?_TOP画像_サトウキビの画像
2019.10.28
サトウキビってどんな植物?
テンサイってどんな植物?_TOP画像_テンサイの画像
2019.11.05
テンサイってどんな植物?
砂糖の原料原産地表示について_TOP画像_サトウキビ畑をバックに上白糖の画像
2023.06.19
砂糖の原料原産地表示について
グラニュ糖と上白糖の違い ①_TOP画像_上白糖とグラニュ糖の画像
2022.12.05
グラニュ糖と上白糖の違い ① ~日本で上白糖が愛されているわけ~
オリゴ糖は砂糖の代わりに料理に使えるの?_TOP画像_オリゴのおかげを器に入れている画像
2022.09.12
オリゴ糖は砂糖の代わりに料理に使えるの?