砂糖が水にたくさん溶けるのはなぜ?

2024.05.07 知識情報

砂糖が水にたくさん溶けるのはなぜ?

フォンダン砂糖のはたらき砂糖の性質砂糖の結晶

お菓子や料理、飲み物に入れられる砂糖。じつは結構多くの量が水に溶けます。100gの水に倍の量、200gの砂糖が溶けてしまいます(20℃のとき)。今回はそんな砂糖の溶けやすさをご紹介します。



まずは、どのくらい溶ける?


砂糖は温度によって溶ける量が大きく変わります。表にしてみました。


『100gの水に溶ける砂糖(ショ糖)の量』

温 度 溶ける砂糖の量(溶解度)
10℃ 180g
20℃ 200g
30℃ 215g
60℃ 289g
90℃ 420g
100℃ 476g

(『砂糖の事典』より)


もともと砂糖は水にたくさん溶けますが、温度が高くなるにつれて溶ける量も増えます。水が沸騰する手前の90℃では、20℃の時に比べて倍以上の量の砂糖が溶けます。


90℃のときで言うとコップ半分100mL(100g)の水にグラニュ糖で大さじ約32杯分!(420g)、市販されている1kg入り砂糖の半分近くが溶けてしまいます。


それぐらい砂糖は水と相性がよくて、水になじみ、たくさん溶けます。



なぜそんなに溶けるの? 


砂糖(グラニュ糖)の粒は、ショ糖の分子が規則正しく並んでいる、結晶と言われる状態となっています。

砂糖が水にたくさん溶けるのはなぜ_挿入画像1_グラニュ糖の結晶の拡大画像


これが水と一緒になると、並んだ状態の分子がバラバラになり、目に見えない大きさのショ糖分子ごとになり、水の分子の中に混ざっていきます。


このときショ糖の分子は、水の分子と水素結合といわれる、ゆるい結合をする性質をもっているため、ショ糖と水が分離せずに、均一に混じった状態を保つのです。


ちなみに、砂糖に比べ溶ける量が少ないことからよく比較に出される「塩」も、じつは水と親和性が高く溶けやすい物質です。
しかし分子の大きさが小さく、分子一つひとつの重量が軽いため、水に溶ける分子の数は砂糖とほぼ一緒なのですが、溶けるg数で比較すると大幅に少なくなります。
20℃のとき塩が溶ける重量は砂糖の約1/8の約26gです。



溶けた砂糖がまた結晶に 


温度が上がることで溶ける量が増えることをご紹介しましたが、この性質をつかって作られるお菓子があります。


エクレアです。上掛けのチョコレートに混ぜるフォンダンがこの性質を使って作られています。


具体的には、高めの温度で多めの砂糖を溶かし、その後に温度を下げることで溶けていた砂糖を再度結晶させます。このとき、微小な結晶が多数できることで、ツヤのある滑らかな上掛けができるのです。

砂糖が水にたくさん溶けるのはなぜ_挿入画像2_エクレアがお皿の上にのっている画像

以前のコラム「砂糖の再結晶を活かしたお菓子作り」で砂糖の再結晶について説明しています。よろしければ下のリンクから見てくださいね。



今回は砂糖が水にたくさん溶ける性質をご説明しました。


食品の保存性を高めるなど、砂糖にはただ甘いだけではない、さまざまな特性があります。気になるトピックスがありましたら下のバナーからぜひ見てみてくださいね。


【参考文献・資料】
・『砂糖の事典』日高秀昌 他 編(東京堂出版)



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