すし飯がずっとしっとり でんぷんの老化を防ぐ砂糖の力

2020.10.29 知識情報

すし飯がずっとしっとり でんぷんの老化を防ぐ砂糖の力

すし飯でんぷん砂糖のはたらき

ふっくらつやつやに炊けたごはんは、それだけで十分おいしいもの。でも、冷めるとかたくなり、おいしくなくなってしまいます。一方、にぎりずしやちらしずしに使う「すし飯」は、冷めてもかたくならずに、そのおいしさを維持しています。
また、もちは焼くとやわらかくふくらみますが、こちらも冷めるとかたくなります。しかし、大福を包んでいるもち(皮の部分)は、冷たくてもやわらかいままです。
ごはんとすし飯、もちと大福。このかたさの違いには、じつは砂糖が関わっています。



でんぷんの「糊化」と「老化」とは

米やもち、パンなどに含まれるでんぷんは、水と一緒に加熱すると、でんぷんの間に水分子が入り込み、でんぷんにねばりが出てやわらかくなります。これはでんぷんの「糊化(こか)」という状態で、炊いたごはんや焼いたパンもこの状態にあたります。
一度糊化したものは、その後時間が経過し、温度が下がるにつれ、でんぷんに入り込んでいた水分子が抜け出てでんぷん同士が結びつき、かたくなります。これをでんぷんの「老化」といいます。
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でんぷんが吸収した水と結びつく砂糖

一度糊化したでんぷんの老化を防ぐのが砂糖です。先のコラム「なめらかな食感に役立つ 砂糖の保水性」でご紹介したように、砂糖には食べものの中にある水となじむ性質があります。このため、でんぷんの中の水分子と砂糖が結びつくことで水分が保持されて、糊化状態を保てます。

すし飯を作るときに使うすし酢や、大福を包むもちには、砂糖が使われています。このため、時間が経っても固くなりにくく、しっとりやわらかな状態を保てます。



砂糖でやわらか&しっとり


砂糖のこのような働きは、さまざまな食べものに活用されています。たとえば、和菓子に欠かせない餡は、小豆のでんぷんが糊化したものですが、砂糖を加えているので餡は冷たくてもやわらかいままです。また、砂糖をたっぷり使ったカステラは、パサつきにくくしっとりとした食感を保てます。このように食品のやわらかさ&しっとりにも砂糖はひと役買っています。
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