ビーツで冷え性対策

2023.02.20 知識情報

ビーツで冷え性対策

ビーツ冷え性栄養硝酸イオン血圧血行促進

2022年、北海道大学の若林准教授らの研究グループがビーツ飲料を摂取することで冷えた手指が早く温まることを明らかにしました。
冷え性対策に効果的な野菜としても、ビーツが注目を集めています。




まずは冷え性が起こるメカニズム


私たちの体には、筋肉や臓器が生み出した熱を血液が身体中に運び、体温を一定に保つしくみがあります。しかしながら、様々な理由で血管が収縮してしまうと血行が悪くなり、体の隅々に張り巡らされた毛細血管に血液が十分に流れなくなってしまいます。
そうなると熱を体の隅々まで届けられず、心臓から遠い位置にある手足が冷たくなり、そのような状態が冷え性となって表れます。


コラム「ビーツで冷え性対策」内画像_冷え症.jpg




北海道大学の実験

北海道大学の実験内容は、水または赤ビーツ飲料を摂取した2時間後に、8℃の冷水に手を 30 分間浸して手指を冷やし、その後、室温27℃の環境で20分間、回復させるというもので、手を冷水に浸ける前から回復時間が終るまで指先の皮膚血流と皮膚温度を計測しています。

その結果、赤ビーツ飲料を摂取した場合は、水を摂取したときと比べて皮膚血流が増加し、皮膚温の回復が早まることが判明しました。
また、冷え傾向の強い人ほど赤ビーツによる回復効果が顕著であることも分かりました。

※ 北海道大学のプレスリリースは下からご確認いただけます。
『赤ビーツが冷えた手指を早く温める~末梢部の血流促進と冷え改善への活用に期待~』
(2022/10/31、工学研究院 准教授 若林斉)


ビーツが冷えた手指を早く温めた理由


ビーツには、硝酸イオンという成分が豊富に含まれていますが、その硝酸イオンは人の体内に入ると微生物などの影響により一酸化窒素に変化します。この一酸化窒素には血管の中膜である「血管平滑筋」を緩め、血管を拡張する作用があることが分かっています。

この、血管が拡張されることによって血流の滞りが改善され、体内の熱が冷えた手指にも行き渡り、早く温まったのだと考えられます。また日頃から冷え性傾向の強い、つまり血流の滞りがある人ほど血管拡張作用による血流増加の効果が顕著に表れたのだと考えられます。


コラム「ビーツで冷え性対策」内画像_血管拡張.jpg


ビーツは冷え性の改善以外にも


血管が拡張し血流が増加することで血圧の低下や、むくみが取れるなど様々な効果も期待されます。
また、ビーツには通常の食生活では不足しがちな「鉄分」や「カリウム」などの必須ミネラル、貧血予防に効果的な「葉酸」、そして抗酸化作用のある「ベタシアニン」など健康的な生活のための栄養素が含まれています。

今度ぜひ、こんなビーツを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。



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